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DESIGN & DEVELOPMENT
ドット絵の脱出ゲーム PIXBOX をリリースしました
Ryosuke

ドット絵の脱出ゲーム PIXBOX をリリースしました

1週間ほど前に App Store と Google Play で 脱出ゲーム PIXBOX というアプリを配信開始しました! 下のリンクからDLしてぜひ遊んでみてください! プレイ時間は1時間ちょっとくらい。 動画を見ることで「ヒント」 or 「画像つきの答え」を見られますよ。

AppStore 「脱出ゲーム PIXBOX」

Google Play 「脱出ゲーム PIXBOX」


脱出ゲーム開発

今年のはじめにトアルボクスのエターナル宣言をしました。 「企画がゆるい」「クォータービューが難しすぎる」「設計ってなに?」が主な理由。 もうちょっと成長してからまた再チャレンジはするつもりですが、現時点ではちょっと身の丈にあってない規模だったかなぁと思います。

そこで、とにかくサクッと完成〜リリースまで持っていって経験値を得ようと、脱出ゲームを作ってみることにしました。

  • “脱出ゲーム”というジャンルの時点でゲームの流れがある程度固まっている
  • プログラミングが複雑ではないので、設計とか学びながらの開発によさそう
  • 広告導入・収益化もやってみたい
  • 謎とか仕掛けとか考えるのは割と好き
  • 工数は1ヶ月くらいで

グラフィックをドット絵にした理由は、3Dは未経験なので時間がかかりそうなのと、他の脱出ゲームと何かしら差別化を図りたい意図がありました。 (実際ドット絵脱出ゲームはそんなに多くない) 「Tiny Room」 というドット絵の脱出ゲームがあり、 こんな記事 もあるように ドット絵×脱出 がターゲット層に刺さらないわけではなさそう。 こちらのゲームは操作感をかなり参考にさせてもらっています。

謎については、とにかくたくさん脱出ゲームをプレイして謎解きのインプットを増やしました。 別の箇所で見つけたヒントを入力させるもの、物理的な作用で解くもの、幾何学的な問題を解くもの、アイテムとアイテムを掛け合わせて別のアイテムを合成するもの等々…、ある程度のパターンはありそうです。

また、競合アプリのユーザの反応を調査してみると、全体的にEASY〜NORMALの謎が好まれる傾向にあるなという印象。上記に挙げた 「別の箇所で見つけたヒントを入力させるもの」 が比較的多い気がします。 であればリスキーな高難易度で構成するよりテンポよく謎を解かせていく構成にするべきなんですが、 性分なので、どーーーしても凝ったものにしたくて、結果ちょっと複雑な謎が多くなってしまいました……。 こういう難易度調整で毎回悩んでますね、向いてないのか。 自分で判断が難しいので、ぱふもどきさん(脱出ゲームリリース経験多数!)にテストプレイをお願いし、所感を伺っています。 謎解きの納得感に関する部分で爪が甘い部分が多く、ヒントの提供方法などいろいろ指摘をもらいました。 代替案も出してくれて、実際に頂いたアイデアを使わせてもらっています。 ぱふさんのアドバイスが無かったら恐らくレビューは大荒れでしたね。 結構細かいところまでツッコんでくれて非常に助かりました!

工数1ヶ月の予定でしたが、実際にリリースできたのは約半年後。 若干脱出ゲーム開発を甘く見てました……。 謎を考える→グラフィック用意、実装する を5月くらいまでずっと繰り返していました。 あとソースコードを何度も書き直しています。 このゲームの開発が終わったら、それをベースに2本、3本と脱出ゲームをリリースできたら…というあわよくば感もあり、一応次回以降のことを踏まえてコードを書いたつもりです。 実際に上手く出来てるかは、神ノミゾ知ル。


リリース

審査は一発で通りました!(既に3回もアプデしてしまいましたが、今の所リジェクトはないです)6/23に無事リリース! Google Play はリリース経験ありましたが、 App Store は初!

先週の日曜日に宣伝ツイートをつぶやきました。 たくさんいいねRT等していただき本当にありがとうございます! Twitterや開発者ギルドなどでも、「脱出ゲームあまりプレイしたことないけどPIXBOXクリアしたよー」等の声をもらったり、ストアでレビューを書いてくれたり、開発者界隈ってすごくありがたいなと感じました。 とりあえずこの1週間はエゴサしまくっていいね押しまくりです。 あとゲーム実況してくれてる人の動画も見て、ちょっと感激しました。

アナリティクス

せっかくなので少し数字をアウトプット。

リリースから5日経過(7日分のデータはまだなので)したDL数はおおよそ、 App Store 7000 DL 、 Google Play 1800 DL となっています。 だいぶ差がありますね。 どちらもリリース後にぐんと跳ねて、 App Store はジャンル順位がアドベンチャーで最高19位になってからは緩やかに右肩下がりです。 一方で Google Play では、 アドベンチャーで最高8位を獲得するも、3日目で急激にDL数が下がっています、なぜだろう。 が、次の日から無料新着でランクインしてまた急激に上がりました。

ずるずる下がっていく一方なので、4日目にプレスリリースとレビュー依頼をいくつか送りました。 以下のサイトさんが掲載してくれています。ありがたいです……。

レーティングは現在どちらも4.5! いくつかレビューもいただいていますが、 難易度に関しては歯ごたえを感じてくれている人がいる一方で、理不尽に思っている人もいるようです。 とはいえ前者の方が比較的多く、ホッとしています。 はじめての☆1をもらった時はこの世の終わりかと思いました。

ユーザ属性は女性、F1〜F2層あたりがメイン。 しかも圧倒的に、です。 これってジャンル自体がこの傾向なんでしょうか。 他作品のレビューを拝見させてもらうと確かに女性が多い印象を受けます。この前提を今後の開発にどう活かすか、考える必要があるかも。 OSのDL差もここに起因してるのかな。

広告はバナー、インタースティシャル、ヒント機能でリワード広告、全てAdMobです。 やはり両OSともにリワードが大きく占めています。 気になる収益額は……

¥81,000 です!

いかがでしたか?(言いたかった) そもそも脱出ゲームはDL単価が低いらしいです。 終わりが明確にあるし、プレイ時間もそんなに長くないのでしょうがないと言えばしょうがない。

とりあえず今はランキングからの流入がありますが、圏外になったらどうなっちゃうのか……。 というか両ストアとも「脱出ゲーム」で検索しても出てこないんですよね。 上位が強すぎるのかな、ASO対策さっぱりわからない。

多言語対応

PIXBOX は日本語と英語に対応しています。 ターゲットが格段に広がるので対応しない手はないなと。

が、実際は悲しいくらいに日本以外ではDLされていません! 95%が日本、2%が米国、その他…という感じです。 面倒くさそうなGDPR対策は行っておらず、EU圏には配信していません。 英語の告知も行ったのですが上手く刺さってないようです……。 ランキングに載れなかったので、以降はもう限りなくゼロに近づいていくだけかも。

英訳準備や、多言語ということで諦めたUIとかが結構あったので、これは結構ショック! 次回作は多言語対応見送りかも。 「スペイン語の翻訳手伝うよ!」というありがたいDMを頂いたのですが、保留にさせてもらってます。


summary

当初の目的だった 「とにかくサクッと完成まで持っていって経験値を得る」 ですが、とりあえず脱出ゲームを完成させて無事リリースまでできました。 ユーザの反応も概ね良好だし、開発〜リリースまでの経験値も得られたと思います。 このゲーム開発で使った UniRx と Zenject について、 備忘録を後日書きたいと思っています。 工数が5倍近くになってしまったのは見積もりが甘かったですね。 個人開発とは言えこの辺りの精度も今後上げていきたい。

リリースで気が抜けたのか、その翌日翌々日は体調不良で会社を休みました。まだ完全回復とはいかず、週末は引きこもってゴロゴロしてます。

そろそろ次の作品、引き続き脱出ゲームを作るか、別の新しいゲームを作るか考え始めます。